SDGsへの取り組み

あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する

厚生労働省の「令和4年度 国民医療費の概況」によると、令和4年度(2022年度)の国民医療費は約44.2兆円となっています。

これらは莫大な負担となって国民にふりかかってきています。入院や手術の件数が多いとCO2ガスなどの排出も増えてしまいます。

この状況を少しでも改善するため、当院では微力ながらも予防医療に励んでおります。

成人病などもそうですが、非常に悪くなってから手術に頼るのではなく、悪くなるまえに良い状態をつくるということが大切だと思います。

とくに当院では足についても力を入れています。外反母趾や浮指うきゆびなどは多くの人を悩ませ困らせているのですが、医療機関の対応もまだまだ未熟です。

『足指がかなり曲がってしまい、痛くて堪らなくなったので受診し、手術を受ける』これでは国の医療費もあがってしまううえ、本人も非常に大変です。

これを防ぐには正しい靴の知識によって、そもそもならないようにあらかじめ予防しておくことが必要となります。

靴の順位

足を鍛え足指をしっかり動かすには、靴が大切です。大きく分けて五段階の良い順番があります。

一番目『はだし』

一番足に良いのは裸足です。私たちホモサピエンスは20万年まえにこの姿になってから、マイナーチェンジしかしていません。足の構造に大きな進化はなく、裸足で歩くようにデザインされています。

私たちは19万9000年ほどほぼ裸足の状態で過ごしてきました。しっかりとした靴を履いたのは、ここ数百年にすぎません。それによってさまざまな弊害が生まれてしまっています。外反母趾や浮指だけでなく、足底筋膜炎や運動神経の低下、足のアーチやクッションの低下による変形性膝関節症や変形性腰椎症、頚椎にまでその影響は至り、自律神経失調症までも引き推している場合があります。

子供の足にとっても非常に大切です。人の足は七歳くらいまでに完成するので、七歳までにどういった環境で育ったかで明暗が分かれます。子供はなるべく裸足で過ごす時間を作ることが非常に大切です。裸足の保育園などは素晴らしい取り組みであり、その子の将来に大きなギフトを与えてくれています。



二番目『鼻緒のある履物』

二番目に足に良いのは、草履やワラジなど『鼻緒がある履物』です。

これらは指をしっかりとつかう訓練になります。

鼻緒のある履物を履こうとすると、踵に安定感が無いので、足の指に力が入ります。この時にDIP・PIPの両関節が伸展し、MPが屈曲する形になるので、足の指が非常に鍛えられるわけです。

江戸時代の農村の人や、戦国時代の武士などはこのような履物を履いて動いていました。理屈は分からなくても経験として最も力が入りやすい履物が分かっていたのです。



三番目『ヒモ靴のスニーカー』

現代では主流となっているこのようなスニーカー。多くの人は一番足に良いと考えているかもしれませんが、ランキングは三位です。実はそれほど賞賛されるものではありません。

ただ、条件が整えば悪くはないものなので、使う時は気にしてみて下さい。

条件① ヒモを毎回しばること

ちょっとゴミ捨てに行く程度なら、ヒモを縛りなおさずに、そのままスッと履いてしまっても問題ありません。

ただ、通勤で長く歩くとか、これからウォーキングするとか、買い物に出かけるなどの時は、しっかりとヒモをゆるめてから足をいれ、縛りなおす必要があります。緩い状態で履いてしまうと、中で足指が遊んでしまい、DIP・PIPの両関節が屈曲し、MPが伸展するという、いわゆる『浮指』の状態になってしまいます。

条件② 幅が自分にあっていること

幅広の人は2Eや3E、ときには4Eの靴を選ばなければいけません。指先は一センチほど空間が必要なことは周知の事実ですが、指の横もほんの少し空間が必要です。横があいていてもヒモをしっかりと結んで甲の部分で止めれば、足は靴の中でブレることなく、安定して歩くことが出来ます。



四番目『スリッパ・スリッポン』などの簡単に脱ぎ履きできるもの

これらはあまり良い履物ではありません。

履いた瞬間は楽かもしれせん。でもそれはファーストフードを食べた時の楽な感じと似ています。

その時の口当たりは良いのですが、のちのちになって遅効性の毒が効いてくるのです。

鼻緒とちがい、上面がボックス状に覆われている履物は、力が入ると、DIP・PIPの両関節が屈曲し、MPが伸展してしまい『浮指』になってしまいます。

この指の悪癖が足のさまざまな障害、ひいては膝や股関節、腰椎までを痛める遠因となっているのです。



五番目『ハイヒール』

これが悪いのは言わずもがな。多くの人が知っています。

外反母趾の最大の原因です。

ハイヒールを履かざるを得ないときは、現地までは楽な靴で行き、会場の近くでハイヒールに履き替えましょう。ヨーロッパの人たちはパーティ会場まではスニーカーで行き、現地で素敵な靴に履き替えるようです。

誰も見ていないような田舎道でハイヒールを履いているのは、日本人くらいです。



まとめ

健康な食事を多めに摂っていれば、当人の体にとっても、政府の財政にとっても健やかで持続可能な状態が生まれます。

どうように、良い靴の習慣を持っていただければ、当人の体にとっても、政府の財政にとっても、健やかで持続可能な理想的な状態が生じます。

私たちにとって、もちろん予防接種や最先端医療なども必要です。このような文明の恩恵を受けながらも、同時に文明の弊害を避けていくことが必要です。