このような症状で悩んでいませんか。
レントゲンやMRIでは異常が見つからないのに、痛みが続いて不安になる方は少なくありません。 実はこのタイプの腰痛は、骨ではなく 筋肉や筋膜の緊張、体の使い方のクセ、左右差 が関係しているケースが多くあります。
この記事では、腰の横や後ろが痛くなる仕組みから、腸腰筋などのインナーマッスルの影響、自宅でできるセルフケア法や病院の受診の目安までを柔道整復師の視点から分かりやすく解説します。
目次
腰の横や後ろが痛くなるのはなぜ?

腰の横から後ろにかけて出る痛みは、骨そのものよりも 筋肉や筋膜のトラブル が原因になっていることが多くあります。
このエリアには、体をひねったり支えたりする大きな筋肉が何層にも重なっています。 長時間の座り仕事、片側に体重をかける立ち方、急な動きなどが続くと、これらの筋肉に負担が集中し、硬くこわばって痛みや違和感として現れてきます。
▶筋肉による『腰の横』の不調をストレッチで改善したい方はこちら
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腰の側面と後方にある筋肉の役割

腰の横や後ろには、体を安定させながら動かすための重要な筋肉があります。
たとえば、体をひねるときや横に倒すときに働く筋肉、立った姿勢を支える筋肉などが集まっています。 これらがバランスよく働いていることで、私たちは無理なく日常動作を行うことができます。
しかし、同じ姿勢が続いたり、片側ばかりで動くクセがあると、特定の筋肉だけが酷使され、疲労や緊張が抜けなくなってしまいます。 その結果、腰の横から後ろにかけて重だるさや痛みが出てくるのです。
腹斜筋・広背筋が関係する仕組み
腰の横から後ろの痛みに関係しやすい代表的な筋肉が 腹斜筋 と 広背筋 です。
腹斜筋はお腹の横側にあり、体をひねったり姿勢を安定させる役割をしています。 一方、広背筋は背中の大きな筋肉で、腕から骨盤付近まで広くつながっています。
この2つの筋肉は、筋膜という薄い膜を通して腰や骨盤の周囲と連動しています。 そのため、どちらかが硬くなると、腰の横から後ろに引っ張られるような負担がかかり、痛みや違和感につながりやすくなります。
レントゲンやMRIで異常がないのに痛む理由

「検査では異常なしと言われたのに、腰がつらい…」 このようなケースは珍しくありません。
レントゲンやMRIは、骨の変形や椎間板のトラブル、内臓の異常などを調べるのにとても重要な検査です。 ただし、筋肉のこわばりや筋膜の緊張、使いすぎによる炎症の初期段階 は、画像では写らないことも多いのです。
また、姿勢のクセや左右差によって負担がかかり続けている状態も、検査だけでは判断しにくいことがあります。
そのため、画像検査で大きな問題が見つからない場合には、筋肉の硬さ・動かし方のクセ・体重のかけ方などを細かく確認していくことが大切になります。
腰の横や後ろが痛くなる主な原因
腰の横から後ろにかけての痛みは、大きく分けると 「筋肉に炎症が起きているケース」 と 「筋肉が疲れてこわばっているケース」 に分かれます。
さらに、立ち方や座り方のクセによって左右差が強くなると、同じ側ばかりに負担がかかり、痛みが長引きやすくなります。
原因① 筋肉の炎症によるズキズキした痛み

急に重い物を持ったあとや、慣れない動きをした翌日などに、ズキズキする痛みや脈打つような感覚が出る場合は、筋肉に炎症が起きている可能性があります。
炎症があるときは、安静にしていても違和感が続いたり、夜間にうずくような痛みを感じることもあります。 触ると熱っぽく感じることもあり、動かすとさらに痛みが強くなるのが特徴です。
このような状態では、無理にストレッチをしたり押したりすると、かえって悪化することがあります。 まずは負担を減らし、状態を落ち着かせることが大切になります。
原因② 筋肉のこわばりと柔軟性低下

長時間のデスクワークや立ち仕事、同じ動作の繰り返しが続くと、腰まわりの筋肉は休む時間がなくなり、少しずつ硬くなっていきます。
この状態が続くと、筋肉は縮んだまま戻りにくくなり、動いたときに引っ張られて鈍い痛みや重だるさとして感じられるようになります。
朝よりも夕方の方がつらくなる、動き始めに違和感が出る、といった場合は、疲労やこわばりが関係していることが多いです。
左右差が強くなると負担が集中しやすい
普段の生活の中で、無意識のうちに片足に体重をかけて立っていたり、座るときに足を組むクセがあると、腰の左右で負担のかかり方に差が出てきます。
こうした左右差が続くと、ある一方の筋肉だけが働きすぎてしまい、疲労が抜けなくなります。 その結果、決まって同じ側の腰の横や後ろが痛くなる、という状態が起こりやすくなります。
また、体の使い方の偏りが続くと、骨盤や背骨の動きにも左右差が生じ、力学的な偏位が大きくなっていきます。 このようなバランスの乱れも、腰の横から後ろにかけての痛みを繰り返す原因になります。
自宅でできる腰の横と後ろのセルフケア方法
腰の横から後ろにかけての痛みは、状態に合ったケアを行うことで楽になるケースも多くあります。
ここでは、 炎症が疑われるときの対処法 と 筋肉のこわばりが原因の場合のセルフケア を分けてご紹介します。
炎症が疑われるときの冷やし方(アイシング)

ズキズキと脈打つような痛みがある場合や、動かさなくても違和感が続く場合は、筋肉に炎症が起きている可能性があります。
そのようなときは、無理に動かしたりストレッチをせず、まずは冷やして炎症を落ち着かせることが大切です。
〈やり方〉
・ビニール袋に氷と少量の水を入れる ・タオルで包んで腰の横から後ろに当てる ・20分ほど冷やす ・1日に1〜2回を目安に行う
冷やしている間に痛みが強くなる場合は、すぐに中止してください。
腰方形筋をゆるめる指圧のやり方

炎症が強くない場合は、腰の横にある 腰方形筋 という筋肉をゆるめてあげると楽になることがあります。
この筋肉は、骨盤の上から背骨の横にかけて付いており、立つ・体を支えるといった動作でとてもよく働いています。
〈やり方〉
横向きに寝て、上側の足を軽く前に出します。 下になっている側の腰の横に親指を当て、ゆっくりと押します。
最初は痛く感じることがありますが、強く押しすぎず、 じっと30秒〜1分ほど押し続けてみてください。
次第にジワーっと痛みがやわらいでくる感覚が出てきたら、筋肉がゆるみ始めているサインです。
2〜3分ほど行ったら終了です。
押す位置と注意点

押すポイントは、骨盤の骨のラインのすぐ上にあるやわらかい部分です。 骨そのものは押さず、あくまで筋肉の部分を狙ってください。
何か所か場所を変えながら行うと、より効果を感じやすくなります。
注意点
・押す力を途中でゆるめない ・しびれが出る場合は中止する ・炎症が疑われるときは行わない ・親指が疲れたら指圧棒やボールを使ってもOK
腰の側屈ストレッチで横の張りを取る方法

腰の横の張りが強い場合は、側屈(体を横に倒す)動きで筋肉を伸ばすストレッチが有効です。
〈やり方〉
足を肩幅くらいに開き、上半身を斜め前に倒します。 腰の横が伸びている感覚が出る位置で止めます。
反動をつけず、弱めの強さで2〜3分ほどキープしてください。 呼吸は止めず、ゆっくり行いましょう。
伸ばしたあとは、ゆっくり体を戻します。
腰全体が重だるい場合に考えたい筋肉のつながり
腰の横だけでなく、腰全体がなんとなく重だるい、張っている、スッキリしない。 そんな症状が続く場合は、腰そのものだけでなく お腹側の筋肉とのつながり に目を向ける必要があります。
体を支えているのは背中の筋肉だけではありません。 前側にある腹筋の働きも、腰の負担と深く関係しています。
腹筋と腰は筋膜でつながっている
お腹の筋肉と腰の筋肉は、実は別々に働いているわけではありません。
筋肉は「筋膜」と呼ばれる薄い膜で包まれており、その膜は体の中で連続しています。 腹筋の筋膜は体の横を通って腰まで伸び、骨盤のあたりにも付着しています。
そのため、 お腹の筋肉がこわばる → 筋膜が引っ張られる → 腰の動きが制限される → 重だるさが出る という流れが起こることがあります。

浅層筋と深層筋の違い
腹筋には大きく分けて二つの層があります。
一つは表面に近い 浅層筋(アウターマッスル)。 いわゆるシックスパックと呼ばれる筋肉はこちらです。
もう一つは、体の奥で姿勢を支えている 深層筋(インナーマッスル)。 内臓の近くを通りながら、腰の骨から骨盤へと立体的につながっています。
浅い筋肉が緊張しても腰に負担がかかりますが、とくに影響が大きいのが深層筋の硬さです。
深い筋肉がこわばると、腰椎や骨盤に過度の張力がかかり、「腰全体が重い」「動き出しがつらい」といった症状につながりやすくなります。(筋肉は骨についているので、筋肉がこわばると骨の付着部を引っぱってしまうわけです)
腸腰筋が腰の後ろの痛みに影響する理由
深層筋の中でも、腰の不調と特に関係が深いのが 腸腰筋(ちょうようきん) です。
腸腰筋は、腰の骨からお腹の奥を通り、太ももの付け根まで伸びている筋肉です。 歩く、立ち上がる、姿勢を保つといった動作で常に働いています。
この筋肉が疲れて硬くなると、腰の骨を前方に引っ張る力が強くなり、腰の後ろ側に圧迫がかかりやすくなります。
その結果、 腰の奥がズーンと重い 後ろ側が張る感じが続く といった症状が出やすくなります。

腰全体のセルフケアと腸腰筋ストレッチ
腰の横や後ろがつらいときは、腰だけをケアするよりも、お腹側の筋肉と深層筋をゆるめること が回復への近道になるケースがあります。
ここでは自宅でできるセルフケアと、腸腰筋ストレッチの正しい方法を解説します。
お腹の筋肉をテニスボールでゆるめる方法

まずは腹筋の浅い層をやさしくゆるめていきます。
準備するものは ・テニスボール1個 ・ペットボトル(体重50kg前後なら2L、70kgなら3L程度)
〈やり方〉
① 仰向けに寝て、テニスボールをお腹の上に置きます。 ② その上にペットボトルを乗せ、手で支えます。 ③ 苦しくない強さで3分ほどそのまま待ちます。テレビを見ながらでも構いません。
じんわりとお腹の奥がゆるんでくる感覚があればOKです。

押してはいけない場所と注意点
お腹をほぐすときは、次の点に注意してください。
・骨の上は押さない ・おへその上は避ける ・ドクンドクンと強く脈打つ場所は大動脈が近いので触らない
また、 高血圧や血管の病気がある方 内臓の疾患がある方 途中で違和感や気分不良が出た場合 は無理をせず中止してください。
あくまで 「筋肉をやさしくゆるめる」 ことが目的です。
腸腰筋ストレッチの正しいやり方

次は深層筋である腸腰筋を伸ばしていきます。
〈やり方〉
① 両手を床につき、片膝を前に出した姿勢になります。 ② 後ろ脚側のお腹が伸びる位置を探します。 ③ 腰を反らしすぎず、体幹を少しひねるように調整します。 ④ お腹の奥や腰の横に「伸び感」が出たら成功です。 ⑤ 無理のない強さで2〜3分キープします。
間違ったフォームで悪化しやすい例

よくある失敗が、腰を真っすぐ反ってしまう姿勢です。
この形になると、腸腰筋ではなく腰椎に圧迫がかかり、かえって痛みが強くなることがあります。
・腰だけをまっすぐ反らす ・胸を突き出しすぎる ・反動をつけて伸ばす
これらは避けてください。
腰椎への負担をかわしながら、腸腰筋だけを伸ばせるように調整しましょう。
セルフケア後に変化をチェックするポイント
ストレッチや指圧を行ったあとは、 「本当に変化が出ているか」を確認することがとても大切です。
感覚だけでなく、動いたときの左右差や引っかかり を比べてみましょう。
動いたときの左右差
まずは立った状態で体を動かします。
・上半身を左右に倒す ・体をひねる ・歩いてみる
このときに、
「片側だけ重たい」 「右に倒すと突っ張る」 「左にひねると引っかかる」
といった違いが減っていれば、筋肉の緊張がゆるみ始めています。
セルフケア前と比べて、動きがなめらかになったかどうかを意識してみてください。
前後に反らしたときの違和感
次に、腰を前後に動かして確認します。
・ゆっくり前屈する ・無理のない範囲で後ろへ反らす
このとき、
ズキッとした痛みが出ないか 突っ張る感じが軽くなっているか 動きに引っかかりがないか
をチェックします。
特に後ろへ反らしたときの違和感が軽くなっていれば、お腹側の筋肉や腸腰筋の影響が減ってきている可能性があります。
セルフケア後に
「さっきより楽に動ける」 「片側だけの張りが弱くなった」
と感じられたら、方向性は合っています。
※逆に、痛みが強くなったり、しびれが出たりした場合は無理をせず中止してください。 その場合は次の章の 医療機関を受診すべきサイン も参考にしてください。
腰の横や後ろの痛みで医療機関を検討すべきケース
腰の横や後ろが痛いとき、多くは筋肉や体の使い方が関係していますが、中には早めに医療機関で検査を受けたほうがよいケースもあります。セルフケアで変化が出ない場合や、普段と違う強い症状があるときは無理をせず専門機関に相談しましょう。
強いズキズキ感や激痛が続く場合
安静にしていてもズキズキする痛みが続く、夜中に目が覚めるほどの激痛がある、日ごとに痛みが強くなっていくといった場合は注意が必要です。転倒や交通事故のあとから痛みが出た場合や、動かすのが怖いほど強い痛みがある場合も、まずは整形外科で画像検査を受けることが勧められます。
しびれや力の入りにくさを伴う場合、排尿や排便に違和感が出てきた場合も、自己判断せず早めに医療機関を受診しましょう。
内臓由来の可能性がある症状
腰の後ろ側の痛みは、まれに内臓のトラブルが関係していることもあります。発熱を伴う、吐き気がある、冷や汗が出る、じっとしていても痛みが治まらないといった症状がある場合は注意が必要です。
左右どちらか一方の腰の奥が強く痛む場合や、腰の痛みと同時にお腹の不調が続いている場合も、内科的な検査が必要になることがあります。こうした症状があるときは、整体やセルフケアを行う前に医療機関での確認を優先しましょう。
整形外科と整体院の役割の違い
整形外科ではレントゲンやMRIなどの画像検査を行い、骨や関節、神経、内臓の異常がないかを医学的に確認することができます。骨折や重い炎症、ヘルニアなどの診断が必要な場合は医療機関が中心になります。
一方、整体院では筋肉や筋膜、骨盤の動き、姿勢や体の使い方といった機能面を評価し、負担がかかっている部分を整えていきます。画像検査で大きな異常が見つからなかったものの違和感が続くケースや、再発を防ぐための体づくりには整体が役立つこともあります。
『整形外科』と『整体』は、状態によって使い分けることで、腰の横や後ろの痛みの改善をより安全に進めることができます。
整体院では腰の横や後ろの痛みをどう評価する?
腰の横や後ろの痛みは、痛い場所そのものだけが原因とは限りません。整体では姿勢のくずれや骨盤の傾き、体の使い方のクセ、左右の荷重バランスといった全身のつながりを見ながら評価していきます。
姿勢と骨盤の傾き
まず確認するのが立った姿勢です。正面や横から見て、肩の高さが左右で違っていないか、骨盤の高さが片側だけ上がっていないか、お腹が前に突き出ていないか、腰の反りが強すぎないかといった点をチェックします。
骨盤が前に傾きすぎたり左右に傾いていると、腰の横や後ろの筋肉に余計な負担がかかりやすくなります。見た目にはわずかな差でも、長期間続くことで筋肉の使われ方に偏りが生まれ、痛みにつながることがあります。
荷重のかかり方と体幹の使い方
次に体重の乗り方を確認します。立っているときに片足に体重をかけるクセがないか、外側ばかり踏んでいないか、つま先やかかとに偏っていないかといった点を見ていきます。
また歩くときや立ち上がるときに腰だけで動いていないか、お腹やお尻の筋肉がうまく使えているかも評価します。体幹の支えが弱くなると本来は分散されるはずの負担が腰に集中し、横や後ろの筋肉が疲れやすくなります。
再発しにくい体づくりの考え方
整体ではその場の痛みを軽くするだけでなく、繰り返さない体の使い方を重視します。骨盤と背骨の動きのバランス、左右差の少ない立ち方や歩き方、日常動作での腰の使い方、デスクワーク時の姿勢などを整えていくことで、腰の横や後ろに負担が集中しにくい体を目指します。
セルフケアと合わせて体のクセを見直していくことが、慢性的な腰の違和感から抜け出す近道になります。
【まとめ】腰の横や後ろの痛みは筋肉と筋膜がカギ
腰の横から後ろにかけての痛みや違和感は、骨や内臓に異常があるとは限らず、筋肉の炎症やこわばり、日常の体の使い方が大きく関係していることが多くあります。腹斜筋や広背筋、腸腰筋、腹直筋の筋膜などは、姿勢や動作のクセによって知らないうちに負担が集中しやすい部位です。
ズキズキする痛みがある場合は炎症を疑い、まずは冷やして安静にすることが大切です。一方で、重だるさや張り感が続く場合は、筋肉のこわばりをゆるめたり、ストレッチで柔軟性を取り戻すことが改善の近道になります。
セルフケアを行う際は、強くやりすぎないことと、痛みの変化をこまめに確認することが重要です。無理に続けるのではなく、状態に合わせて内容を調整してください。
もし強い痛みが続く場合や、しびれや体調の変化を伴う場合は、早めに医療機関で検査を受けましょう。検査で大きな異常がない場合には、整体で体のバランスや使い方を見直すことで、再発しにくい状態を目指すことができます。
腰の横や後ろの痛みは、正しく知り、適切に対処することで改善が期待できます。日々の体の使い方を見直しながら、無理のないケアを続けていきましょう。
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