初子ピラティスって何? 筋トレとどう違うの?
しかも足まで痩せるって本当?



その疑問、よく聞かれます。
ピラティスは“鍛える”より、正しく動ける身体に整えるトレーニング。
姿勢が変わったり、体が軽くなったり、
人によっては脚のラインまで変わります。
この記事では整骨院監修のもと、ピラティスの効果・変化・筋トレとの違い・足痩せとの関係を、できるだけ分かりやすくまとめています。
気になるところだけでも、ぜひ読んでみてください!
ピラティスとは? まずはざっくり理解しよう


ピラティスは、体を「無理に鍛える」というより、整えながら、身体の使い方を上手くするトレーニングです。
日常のクセや姿勢の乱れによって働きすぎている筋肉と、うまく使えていない筋肉の差が生まれることで、肩こり・腰痛・むくみ・脚太りなどにつながることがあります。
ピラティスでは、呼吸とゆっくりした動きを組み合わせながら、自分の体を正しくコントロールする感覚を身につけていきます。
運動が得意な人向けのトレーニングと思われがちですが、実は初心者や運動が苦手な人ほど効果を感じやすいのが特徴です。姿勢の変化による体の軽さ、疲れにくさを実感する方が多いのもピラティスの魅力です。


ピラティスは「整えるトレーニング」
ピラティスは筋力アップよりも、動きの質を改善するトレーニングです。
私たちは無意識のうちに、立ち方・歩き方・座り方に癖があります。例えば、反り腰や猫背、重心の偏りなどが癖になっていると、筋肉の使い方に偏りが生まれ、体が疲れやすくなったり、関節に負担がかかり痛みに変わることもあります。
ピラティスでは、呼吸を使いながら体幹(コア)を安定させ、必要な筋肉がバランスよく働ける状態に整えます。その結果、無理なく立てる・軽く歩ける・呼吸が深く出来るように変わっていきます。
ピラティスで整うこと
- 立ち姿勢
- 座り姿勢
- 呼吸
- 歩き方
- 肩や腰の負担
- 体のライン(見た目)
ヨガと似てる?違う?簡単に比較します
ヨガとピラティスは混同されやすいですが、目的が少し違います。
ヨガは「心と体の調和」「リラックス」を目的とした動きで、精神面と柔軟性を重視します。
一方ピラティスは、体を正しく使うことに重点を置き、姿勢や筋肉バランスを整えるための物理的なエクササイズです。
| 項目 | ピラティス | ヨガ |
|---|---|---|
| 目的 | 体の使い方を整える | 心身の調和 |
| 動き | ゆっくり+筋肉制御 | ポーズ保持と呼吸 |
| 効果 | 柔軟性アップ・姿勢改善・引き締め | 柔軟性アップ・リラックス |
呼吸がポイント|胸式呼吸で動きやすくなる
腹式呼吸を行って副交感神経を働かせるヨガとは違い、ピラティスは胸式呼吸を使います。
腹式呼吸では主に横隔膜を使いますが、胸式呼吸は肋間筋や肩や首の呼吸補助筋が主に使われます。
腹式呼吸は『陰の呼吸』と呼ばれ、気持ちを落ち着かせたりなだめたりします。
一方、胸式呼吸は『陽の呼吸』と呼ばれ、体を動かしたり広げたりする際に使われます。
ピラティスでは胸式呼吸を使うことで、交感神経が優位になり、姿勢保持や運動器系の筋肉が働きやすくなります。
息を止めず、吸いながら肋骨が横に広がる感覚を意識することで、代謝をあげ体を活性化していきます。


呼吸の違い
| 胸式呼吸 | 腹式呼吸 | |
|---|---|---|
| 運動 | ピラティス | ヨガ |
| 種類 | 陽の呼吸 | 陰の呼吸 |
| 意識 | 外観(外側へ向かう意識) | 内観(内側へ戻る意識) |
| 主に使う筋肉 | 肋間筋・ 肩や首の呼吸補助筋 | 横隔膜 |
| 効果 | 動く 広げる | 落ち着く なだめる |
使いすぎ筋肉とサボり筋|バランスを戻す運動
ピラティスでは、頑張りすぎている筋肉を休ませ、働くべき筋肉を目覚めさせることで、体が楽に動くようになります。
例)太ももの前だけ張る → お尻と太もも後ろが使えていない状態。
マットとマシン、どっちが良い?
初心者はマシンから始めると、正しい位置へと動きをサポートしてくれるため、正しいフォームを感覚で覚えやすいです。
慣れたらマットでも十分効果があります。
💡迷ったら:最初はマシン → 慣れたらマット
理由:サポート機能があり、誤った動きを防げるから。
ピラティスの効果|どんな変化が出るの?


ピラティスは、運動量が多いわけではないのに「変化を感じやすい」と言われています。
その理由は、体の土台となる姿勢・呼吸・筋肉の使い方が変わるからです。
体の癖が整うことで、余計な力みが減り、必要な筋肉が自然と働き始めます。
その結果、肩こりや腰の重さがラクになったり、歩きやすさや疲れにくさを感じる方が多くいます。
さらに、見た目の変化として「ウエストが締まった」「脚のラインが変わった」「背筋が伸びた」など、鏡で分かる変化が表れ始めます。
運動が苦手でも、忙しくても、続けやすいのがピラティスの魅力です。


印象もボディラインも大きく変わります!
姿勢が変わる|猫背・反り腰がスッキリ
ピラティスの大きなメリットの1つが姿勢改善です。
猫背・巻き肩・反り腰などは、筋力不足ではなく、姿勢バランスの崩れによって起こります。
ピラティスでは体幹を支える筋肉(特に腹横筋や多裂筋)が働き、正しい姿勢がラクに取れるようになります。
「姿勢を直そう」と意識して直すのではなく、自然と正しい位置に戻るのがポイントです。



頑張って姿勢を良くしてるのに疲れる…



それ、筋力より使い方の問題かもしれません
インナーが働くと立ちやすく・歩きやすい
インナーマッスル(深層筋)が働くことで、体を無理なく支えられるようになります。
これは筋力が“強くなった”のではなく、正しく使えるようになったサインです。
階段がラク、歩幅が広がる、疲れにくいなどの変化を感じる人が多いです。
可動域UPで体が軽くなる感覚
ガチガチの肩や股関節がスムーズに動くようになると、体が軽くなる感覚があります。
動きが滑らかになることで、運動の精度も日常動作も変わっていきます。
肩こり・腰のダルさが軽くなる理由
肩こりや腰の不調は「筋肉が弱いから」ではなく、必要以上に力が入っている状態のことが多いです。
ピラティスで体のバランスが整うことで、過度にがんばっていた筋肉がリラックスし、必要な筋肉が働くようになります。
その結果、痛みやコリの根本原因にアプローチできます。
なぜ筋トレでは治らないことがあるの?
筋トレは「働く筋肉を増やす」運動。
ピラティスは「力の使い方を変える」運動。
アプローチが違うため、結果も変わります。
筋肉ムキムキじゃなく、ラインが引き締まる
ピラティスの引き締まり方は、筋肥大ではなく体のラインが整うタイプです。
余計な力みが抜け、必要な筋肉が働くことで、自然とボディラインに変化が出ます。
運動苦手さんでも変化しやすい理由
ピラティスは回数より質を重視する運動なので、運動経験がなくても成果を感じやすいのが特徴です。
変化はいつ出る?目安は何回くらい?
| 回数 | 体感しやすい変化 |
|---|---|
| 1回〜3回 | 体の軽さ・呼吸がしやすい |
| 5回〜10回 | 姿勢が変わる・歩きやすい |
| 10回〜20回 | ラインに変化/見た目の変化 |
「10回で違いを感じ、20回で見た目が変わり、30回で身体が変わる」
— Joseph Pilates (ピラティス創始者)
ピラティスと筋トレの違い|どっちが良い?目的で変わる


「ピラティスと筋トレ、どっちが良いですか?」と質問されることがありますが、答えは目的によって違います。
筋トレは、負荷をかけて筋肉を大きく・強くするトレーニングです。
筋肉量が増えると代謝が上がり、身体能力や体力向上につながります。ただし、「筋肉は強くなっているのに、体が硬くなる・動きにくくなる」というデメリットが出ることもあります。これは筋肉が部分的に鍛えられ、柔軟性や動きの連動性が追いついていないケースです。
一方ピラティスは、鍛えるだけでなく、柔軟性・コントロール・姿勢バランスを同時に整える運動です。筋肉をしなやかに保ちながら必要な部分だけに力が入るよう調整していくため、「身体が軽くなる」「動きが滑らかになる」「関節への負担が減る」などの変化が出やすいことが特徴です。
たとえば、筋トレしてるけど姿勢が悪い人、肩や腰を痛めやすい人、立ち姿や座り姿が美しくない人は、筋肥大はうまくいってるけど、筋の柔軟性が落ちているパターン。
そういう場合、まずピラティスで使い方を整えつつ筋トレを行うと、同じ運動でも結果が大きく変わります。
| 項目 | ピラティス | 筋トレ |
|---|---|---|
| 目的 | 動きのコントロール・姿勢改善 | 筋肉量アップ・パワー向上 |
| 筋肉の状態 | しなやか・柔軟性を保つ | 硬くなる場合がある |
| 使う筋肉 | 体幹・深層筋(インナー) | 大きな筋肉(アウター) |
| 体感の変化 | 姿勢改善・軽さ・ラインの変化 | 力強さ・筋肥大 |
| 初心者向け | ◎フォーム補正あり | △フォーム次第 |
筋肉が硬くなる vs 柔らかく動ける体
筋トレは、筋繊維が太く強くなる反面、筋肉が縮んだまま固まりやすい傾向があります。
特にストレッチや動作改善が不足していると、肩こり・腰痛・脚太りにつながることもあります。
ピラティスは、伸ばしながら使う動きが多く、筋肉が柔らかいまま鍛えられるため、体が固まらず、可動域を保ったまま動けることが特徴です。
ピラティスのあとに筋トレが効果的な理由
ピラティスで体幹や骨盤の位置が整うと、筋トレ時にターゲットの筋肉が正しく働きます。
そのため👇
- 同じ回数でも効きやすい
- ケガや負担が減る
- 脚だけ太るなどの偏りが起きにくい
というメリットがあります。
筋トレとピラティス、どちらがあなた向け?


📌 ピラティスが向いている人
- 姿勢をよくしたい
- 動きが硬い・コリや痛みがある
- 運動が苦手でも続けたい
- 脚ラインや体のクセを直したい
- 代謝を上げたい


📌 筋トレが向いている人
- 筋肉量を増やしたい
- 強く動ける体を作りたい
- 代謝を上げたい
- スポーツパフォーマンスを上げたい
👉 結論:最も効率的なのは「ピラティス 」です。
筋トレには、その後のストレッチが必須です。これを怠ると強いけど故障が多い体になってしまいます。(そういうスポーツ選手も多くいます)
一方、ピラティスは鍛えながらも同時に柔軟性も高められるので、しなやかで強い体を作ることができます。(イチロー選手のような故障をしない体になっていきます)
ピラティスで足痩せできる? 結論:できます


「ピラティスで本当に足が細くなるの?」と相談されることが多いですが、答えはYESです。
ただし、ランニングや筋トレのように「消費カロリーで痩せる」のではなく、脚の使い方が変わることでラインが整い、結果として細く見える・細くなるという仕組みです。
脚が太くなりやすい人の多くは、太ももの前側に負担が集中している傾向があります。
これは姿勢や歩き方の癖、反り腰、骨盤の傾き、足指の使い方などが原因です。
ピラティスでは、この運動パターンを改善し、お尻・内もも・足裏の筋肉が自然に使える状態へ戻していきます。
そのため、「体重は変わってないのに脚の形が変わった」「スキニーがゆるくなった」という変化が起きやすいのです。


太もも問題は筋肉量より“使い方のクセ”
脚太りの原因は、「筋肉がつきすぎているから」ではなく、偏って使いすぎているからです。
同じ動きをしていても、使っている筋肉が違えば結果は変わります。
ピラティスではまず「どの筋肉が働いていないか」を感じ取りながら、正しい動き方へ修正していきます。
これが、ピラティスが短期間でもライン変化が出やすい理由です。
反り腰・内股・O脚・足指の使い方が関係している
多くの脚太りさんに共通しているのが👇
- 反り腰
- 内股
- O脚・X脚
- 浮き指
- つま先立ち歩き
これらは骨盤・股関節・足裏の連動不足のサインです。
ピラティスではこれをひとつずつ整え、自然に体が連動する状態を目指します。
骨盤・股関節・足裏の連動が改善ポイント
脚痩せに最も重要なのは、体幹と脚が“つながって動く”こと。
ここが改善されると、歩き方も変わり、太もも前の張りやむくみが軽くなっていきます。
どれくらい続けると脚の変化に気づく?
| 回数 | 目安の変化 |
|---|---|
| 3〜5回 | 歩きやすい・むくみにくい |
| 5〜10回 | 太ももの張りがやわらぐ |
| 10〜20回 | ライン変化・サイズダウン |


足痩せしたい人が意識すべき3つのポイント
- 「前ももで踏ん張らない」を意識
- 足裏の親指・小指・かかとの三点支持
- お尻(大殿筋・中殿筋)を使う意識
💡意識するだけで、日常動作そのものがトレーニングになります。
とくに足指が使えてない人は、スネの前の筋肉 (前脛骨筋) の辺りもパンパンに張ってきてしまうこともあります。
どう始める? 初心者向けの選び方ガイド


ピラティスは自宅で参考動画を見ながらでもできますが、最初の数回だけは誰かにフォームを確認してもらうことをおすすめします。
ピラティスは動きが小さく、一見簡単そうに見えますが、「正しく使えているかどうか」で効果の出方が大きく変わります。
特に、反り腰・股関節の硬さ・呼吸が浅いタイプの方は、自己流だと癖が強く出てしまい、「効いてるのか分からない…」と感じやすい傾向があります。
最初に基本の呼吸・骨盤の位置・体幹の使い方がわかると、その後は動画やグループでもスムーズに上達できます。
迷ったら、「最初の頃だけマンツーマン → 慣れたら継続しやすい形」がベストです。
自己流より、最初は誰かに見てもらう方が早い
ピラティスは、「動きの大きさ」より「体の使い方」が重要なので、最初の1〜3回だけはプロに直接見てもらうと習得が早いです。
自分ではまっすぐのつもりでも、骨盤が前傾していたり、呼吸が浅かったり、肩が力んでいることがあります。
フォームを一度修正してもらうだけで、その後のオンラインや動画練習の質が大きく変わります。



自己流でやってた時は全然効かなかった…



1回フォーム調整すると、体が覚えるスピードが変わります
パーソナル・グループ・オンラインの違い
| タイプ | 特徴 | おすすめの人 |
|---|---|---|
| パーソナル | フォーム修正・効く場所が分かる | 初心者・悩みがある人 |
| グループ | 楽しみながら継続しやすい | 習慣化したい人 |
| オンライン・動画 | 好きな時間にできる | 自宅派・サブ運動 |
💡組み合わせOK。「パーソナル→グループor動画」が最も失敗しない方法です。
継続するコツ|無理なく続ける考え方
運動は「きつい=効果」ではなく、続けられることが効果です。
ピラティスは20〜30分でも十分変化があり、「疲れていてもできる」「気分が軽くなる」という声も多いもの。
続けるコツは👇
- 完璧にやらなくてOK
- 週1回のレッスン→日常で意識
- できた日を「成功」とカウントする
小さな積み重ねでも、確実に体は変わります。
まとめ
ピラティスは、体を鍛えるだけでなく、「正しく使える体に戻す」ためのトレーニングです。
姿勢や動きの癖が整うことで、肩こりや腰の違和感が軽くなり、歩きやすさ、体の軽さ、体型の変化を感じる人が多くいます。
特に、太ももや下半身が気になる方、筋トレでうまく結果が出なかった方、運動が苦手な方にとって、ピラティスは始めやすく、効果を体感しやすい方法です。
まずは難しく考えすぎず、呼吸とゆっくりした動きから。
体の変化は、「頑張る」よりも続けていくことで少しずつ現れてきます。



いまの体を責めず、
「動ける体に戻していく」感覚で始めてみてください。
その積み重ねが、未来の体と習慣を変えてくれます。
監修情報
※この記事は、柔道整復師の上山和俊(国家資格番号:第71114号)が、自身もピラティスを体験した上で監修しています。詳しい監修者情報は こちらをご覧ください。

